四十路母ちゃんの断酒日記

44歳の主婦が依存に闘いを挑む記録を可能な限り赤裸々に綴ります♪

急性アルコール中毒になった人

若い頃スナックでバイトをしていて、一度だけ急性アルコール中毒になった人を間近で見たことがある。

 

新人歓迎会とかそんな感じで、ひとりの人がガンガン飲まされていた。

 

 

これはもう20年以上前の話なので、当時こういったことはよくあったし、飲み屋なんかで働けばそこそこよく見かける光景だった。

 

3、4人の男性達で、飲まされていた人は新入社員だったのか、ハイハイ言うことを聞いている感じで、飲めと言われれば飲む、食えと言われれば食う、歌えと言われれば歌い、踊れと言われれば踊る、終始そんな調子だった。

 

日付も変わる頃になると、彼らは新人の彼に「一気」コールを始めた。

 

彼は言われるままに飲んだ。

もういい加減腹もいっぱいだろうに、それでもグイグイと飲んだ。

ビールのジョッキだったと思う。

 

そろそろジョッキが空になろうかという頃、彼はカウンターにジョッキを落とすと同時に、突然椅子を倒しながら立ち上がり、店の外へフラフラと出ていってしまった。

 

 

慌てて後を追った私がそこで目にしたのは、

 

 

フラフラとよろけながら近くの電柱に抱きついたと思ったらそのまま道路に崩れ落ち、その後ゴロンと仰向けに倒れ、白眼をむいて口からはブクブクと白い泡を吹き、ビクンビクンと痙攣を起こしている彼の姿だった。

 

…あぁこの人は死ぬんだと、思った。

 

すぐに我に返り救急車を呼び、彼は病院に搬送されたが、その後どうなったのかは分からない。

亡くなったのかもしれないし助かったかもしれないが、翌日からも店は何事もなかったかのように営業し、その話が私の耳に入ってくることはなかった。

 

初めて見る、急性アルコール中毒患者の姿だった。

あんな衝撃を受けたことは、それまで無かったと思う。

 

その店で働いていた時には、本当に様々な経験をした。

酒の怖さを間近でたくさん見た2年間だった。

 

つづく…